さて、ここで金剛院が普通の寺院ではなく、古代から神社としての重要 な位置にあったことを理解したところで、さらに驚く幾何学的特性を示 します。このような事実は古文書や伝承からはほとんど得ることのでき ない貴重な事実です。
古代史と言われているほぼ全ての記載で富士山を完全に無視していま す。これは記紀だけでなく外国の文献にも古代の富士山は全く書かれて いないからです。ですから、古代史のほとんどは富士山を完全に無視せ ざるを得ないのです。富士山がなかったなどと言うことはあり得ないこ とを承知で無視しているのです。文献だけに頼る古代史の最も大きな欠 点がここにあります。
文献派なら当然古代の金剛院の位置も無視せざるを得ないでしょう。これ を無視すると、当時の日本がどのようになっていたかはまるで見当もつか ないはずです、こんな状態で奴国がどこにあったかなど、断定できるわけ はありません。ここでも同じように文献だけに頼る欠点が出ることになり ます。
私の書いている内容が自説と会わないと言って無視している人達の説も 恐らく同じようなものでしょう。三世紀以前の出来事などほとんどどこ にも書かれていないので、所詮想像でしかないのです。それを大勢でわ かったように似た説を色々と言い合って騒いでいるのは不思議でなりま せん。
前置きが長くなってしまいましたが、その驚く特性は下記です。
出発 伊勢堂岱遺跡(D) 秋田県北秋田市脇神 経由 金剛院 長崎県対馬市厳原町豆酘3342 到着 高千穂峰 宮崎県高原町大字蒲牟田 訂正内角 90.16 出発 伊勢堂岱遺跡(C) 秋田県北秋田市脇神 経由 金剛院 長崎県対馬市厳原町豆酘3342 到着 高千穂峰 宮崎県高原町大字蒲牟田 訂正内角 90.18
すなわち、高千穂峰を出た線が金剛院を経由して秋田県の伊勢堂岱遺跡 に到着する線も極めて高い直角線であることです。 この遺跡には日本最大と言われる環状列石があり、それぞれには北側か らA、B、C、Dと呼び名が付いています。
https://www.city.kitaakita.akita.jp/kyouiku_bunka_sports/bunkazai/images/yosou_1.jpg
このように、環状列石が4つもあり、どれが神社群中心がわかりません。 そこで、HSCPの規則で周辺の神社から来る直角線の収斂点を探索し たところ(大変手間のかかる作業です)、直径が45mと最大の直径を 持つ環状列石(C)のほぼ中心の位置
北緯40度12分11秒09 東経140度20分48秒89
が神社群中心であることがわかりました。
先に示したように、その補正内角は90.18゜と、これも素晴らしい直角精度 です。最も南側にある(D)の補正内角は90.16゜となっていて、(D)の 方が直角精度が高くなっています。しかし、(D)の位置は神社群中心で はありません。
これは金剛院から伊勢堂岱遺跡までおよそ1,200kmもあるので、わずかな誤 差でこのような結果が生じたものと考えています。
このような直角精度が偶然に生じる大雑把な確率は1/500です。全国の環 状列石は数えるほどしかありませんから、偶然ではこのような事象が起 きることは極めて稀です。
これは、高千穂峰と金剛院、伊勢堂岱遺跡の位置が計画的に配置されて いたとする決定的な証拠になります。
それでも、まさか?やはり偶然ではないかと考える気持ちを持たれる専門 家が多いでしょう。
そこでもう一つの証拠を上げます。
出発 伊勢堂岱遺跡(C) 秋田県北秋田市脇神 経由 若宮神社(御領貝塚) 熊本県熊本市南区城南町東阿高 到着 金剛院 長崎県対馬市厳原町豆酘3342 訂正内角 90.03 これは何を意味するかと言うと、金剛院から伊勢堂岱遺跡に引いた線分 のヒギーバック点が若宮神社(御陵貝塚)にあり、そのピギーバック点 の補正内角が90.03゜であるとする意味を持っています。 先にも書いたように、この線分の距離はおよそ1,200kmです。この距離 で、このすばらしい直角精度が出ているのですから、驚くよりほかはあり ません。
このような直角精度が偶然に起きる大雑把な確率は1/3,000です。これが ただでも数の少ない九州の縄文遺跡の位置で置きている極めて珍しい事象 ですから驚かない人はいないでしょう。世界中を探してもこのような実例 はないはずです。
参考
https://kumamoto-guide.jp/spots/detail/192
ここで、もう一つ明確になったことがあります。No246にも書いたよう に、これまで、九州と東日本の関係で、一方は神社と山岳、他方は縄文 遺跡と坑口跡など全く異質のものが、幾何学的に相関がある不思議があ りましたが、ここで九州側にも先の縄文遺跡のビギーバック点があった ことで同一時代にこの事象が置きていることがわかりました。
まだ驚くことが続きます。
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